ほんとうの1秒 | GOOD TRASH SERVICE

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ほんとうの1秒


ゆうは、時計を見ていた。

「あと1分で終わりね」

先生が言う。

教室の空気が少しだけ軽くなる。

ゆうは、もう一度時計を見る。

秒針が、カチ、カチ、と動いている。

(おそい)

さっきから、全然進んでない気がする。

まだ30秒も経ってない。

ゆうは窓の外を見る。

風で木が揺れている。

誰かが咳をした。

また時計を見る。

(まだ?)

さっき見たときと、ほとんど変わってない。


放課後。

友だちとゲームをしている。

「もうこんな時間?」

ゆうが言う。

さっき始めたばかりのはずなのに、

気づいたら1時間経っていた。

時計を見る。

さっきと同じように、秒針は動いている。

カチ、カチ、カチ。


(なんで?)

同じ“1秒”なのに。

学校ではあんなに長かったのに、

今は一瞬で過ぎていく。

ゆうは手を止める。

画面の中のキャラクターが止まる。


夜。

ゆうはベッドの上でスマホを見ている。

「1秒って、何で決まってるの?」

気になって調べる。

昔は、

太陽の動きで時間を決めていたらしい。

でもそれだとズレるから、

今はもっと正確な方法になっている。

“原子”っていう、とても小さいものがあって、

その動きを数えて、

1秒を決めている。


ゆうはスマホを閉じる。

部屋は静かだ。

時計の音だけが聞こえる。

カチ、カチ、カチ。


(じゃあ、この音が1秒?)

(それとも、自分が感じてる時間?)


同じ1秒なのに、

長くなったり、短くなったりする。

でも時計は、ずっと同じ速さで進んでいる。


(どっちが本当なんだろう)


ゆうは目を閉じる。

次に目を開けたとき、

1秒は、ちゃんと1秒なのか。

それとも、

また違う長さになっているのか。


時間は、決められている。

でも、

感じ方までは決められていない。


もしかしたら、

時間はひとつじゃないのかもしれない。

同じ“1秒”でも、

人の数だけ、違う長さがある。


そう考えることもできる。


GOOD TRASH SERVICEでは、
モノの“ほんとうの価値”も同じように考えています。

同じモノでも、
誰かにとってはただの不要品で、
誰かにとっては、時間を忘れるほど夢中になれるものになる。


GOOD TRASH SERVICE(グットラ)
115-0051 東京都北区浮間2-25-9 NK UKIMA BLD. 101(JR埼京線・浮間舟渡駅 徒歩2分)
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中古を“遊び道具”に成長させる新世代リユースカルチャーを、
東京・浮間舟渡から発信しています。

この記事の著者

原田 景司

“フリマの達人”の母に学び、幼少期から100超のマーケットで仕入れと値付けを覚えた生粋のバイヤー。アパレル業界では20年以上、セレクトショップのバイヤー兼ディレクターとして国内外の最先端ファッションとストリートカルチャーに精通。音楽活動で培った表現力と感性、クライミングや飲食現場で磨いた身体性を融合し、2025年3月、東京・浮間舟渡に「GOOD TRASH SERVICE(グットラ)」を開業。中古を“遊び道具”に成長させる新世代リユースカルチャーを発信し、TRASHをGOODへと変えながら、遊びと学びの交差点からすべての人と成長できる新しい価値を育てている。

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