おとしだまのはじまり

むかし むかし。
まだ「お金」が、いまほど だいじじゃなかったころ。
おしょうがつに なると、
としがみさま という かみさまが、
そのとしの「いのち」と「ちから」を もって
まちに おりてくると いわれていました。
ひとは かみさまを むかえるため、
まるい もちを つくりました。
それが かがみもち です。
かがみもちの なかには、
としがみさまの たましい――
「としだま」 が こもっていると
しんじられていました。

おしょうがつの おわり、
その もちを
こどもたちに わけあたえます。
「このいちねんも
げんきで すごせますように」と。
それが、
いちばん はじめの おとしだま でした。
やがて じだいが すすみ、
えどじだいに なると、
まちは にぎやかに なり、
ものや おかねが
つかわれるように なりました。
もちの かわりに、
こめや ぬの、
そして せん や こばん が
わたされるように なります。
でも、
いみは かわりません。
「たくさん もっているから あげる」
のではなく、
「つぎの いちねんを たくす」。
それが おとしだま です。

しょうわ、へいせい、れいわ。
いまでは、
ちいさな ぽちぶくろ に
おかねを いれて
わたす かたちに なりました。
でも、
ほんとうに つつまれているのは、
おかね だけでは ありません。
・きたい
・しんらい
・そだってほしい きもち
それらを
そっと つつんで
わたしているのです。
おとしだまは、
おかねの イベント では ありません。
それは、
いのちを つなぐ しるし。
かみさまから
おとなへ。
おとなから
こどもへ。
こころの かたち をかえ
だれかへ つないでいるだけ。
だから、
つかっても、なくなっても、
おとしだまの ほんとうの ねだん は
なくなりません。
あすは はこねえきでん。
つなぐ きもちは
たすきに たくされ、
あすは だれかの いきるゆうき にかわる

ことしも だれかへ たくす おてつだい
ご協力よろしくおねがいします。
