コンテナと僕
コンテナは、空っぽ。
でも、空っぽだからこそ、なんでも入る。
僕がやっていることも、きっとそれに近い。
小さい頃から、モノに囲まれて育った。
母はリサイクルショップをやっていて、
週末になるとまだ暗い時間に起きて、
父の運転でフリーマーケットに向かう。
車に積まれたたくさんのコンテナ。
その中に詰まったモノたち。
現地について、
それを開いて、並べて、
誰かの手に渡っていく。
また畳んで、積んで、運ぶ。
そんな流れの中に、
ずっといた。
気づいたら、
売ることも、値段をつけることも、
自然と身についていた。
これはいくらなら手に取りやすいか。
これはどんな人に届くか。
学校では教わらないことを、
日常の中で覚えていった。
でも、その頃はまだ知らなかった。
モノの価値は、
モノそのものにあるわけじゃないということ。
同じモノでも、
ある人にとってはただの通り過ぎるものでも、
別の人にとっては、ずっと探していたものになる。
その違いは、
状態や値段じゃなくて、
「知ること」や「出会うこと」だったりする。
そのあと、
アパレルの世界に入って、
たくさんのモノを見てきた。
新品も、中古も、
名前のあるものも、ないものも。
でも、
どこまでいっても変わらなかった。
価値は、
人の中で生まれていくものだった。
今は、
GOOD TRASH SERVICEという場所をやっている。
お店というより、
少しだけひらかれた部屋みたいな場所。
値札はつけていないし、
特別な声かけもしない。
ただ、
「これ、何ですか?」から始まる会話がある。
背景を伝えたり、
使い方を一緒に考えたりする中で、
ただそこにあったモノが、
その人の中で意味を持ちはじめる。
その瞬間に、
何かがそっと渡っていく。
ここにあるものは、
どれも途中にあるもの。
誰かの手を通ってきて、
また次の誰かへ向かっていく。
終わりじゃなくて、
続きのあるものばかり。
だから、
無理にすすめることもしないし、
何も買わなくても大丈夫。
その人の中に、
何かひとつ残るものがあれば、
それで十分だと思っている。
それはモノじゃなくて、
体験だったり、
理解だったり、
記憶だったりする。
コンテナのことを考えるとき、
いつも思い出すことがある。
畳んで、開いて、重ねて、
並べて、座って、
時には壁になったり、背景になったりする。
使い方はひとつじゃなくて、
そのときの状況や人によって、
形が変わっていく。
モノも、
人の考えも、
少し似ている気がする。
決めつけないほうが、
やわらかく広がっていく。
コンテナという言葉は、
「contain(含む・内包する)」から来ている。
ただ入れるための箱ではなくて、
何かを受け取って、
また誰かに渡していくための器。
僕はたぶん、
その流れの中にいさせてもらっている。
入れてもらって、
渡していく。
また空っぽになって、
新しく受け取る。
その繰り返しの中で、
いろんなものに支えられてきた。
モノにも、人にも、
時間にも、場所にも。
気づくと、
全部にありがとうと言いたくなる。
コンテナは、空っぽでいい。
そこに何を入れるかは、
これから出会うもので決まっていくから。
今日もまた、
少しだけ中身が入れ替わる。
それを楽しみにしながら、
この場所に立っている。
GOOD TRASH SERVICE(グットラ)
115-0051 東京都北区浮間2-25-9 NK UKIMA BLD. 101(JR埼京線・浮間舟渡駅 徒歩2分)
TEL:03-4362-7700
MAIL:info@goodtrashservice.com
営業日:不定休(ご来店は事前にお問い合わせください)
遊び道具ライフスタイルショップ
“TRASHをGOODへ。モノを、想いごと、次の人へ。”
【公式サイト】https://goodtrashservice.com
【オンラインストア】https://goodtrash.official.ec/
【Instagram】@goodtrashservice_official
中古を“遊び道具”に成長させる新世代リユースカルチャーを、
東京・浮間舟渡から発信しています。
