言語化能力とは、自分の言葉を使わない力
伝える力は、相手の言葉を集めることから始まる。

言語化能力について考える。
答えは、かなりシンプルだと思う。
相手の言葉を使って話せばいい。
ただ、それはよく言われるような、
「小学生にもわかるように話す」
「何歳でもわかる言葉を使う」
「その人の立場になって考える」
ということとは少し違う。
もちろん、それが間違っているわけではない。
でも、それだけでは足りない。
何歳か。
どんな性別か。
どんな職業か。
どんなスポーツをしているか。
どんな趣味があるか。
どんな学校に通っているか。
そういう属性だけで、人はわからない。
同じ年齢でも、まったく違う世界を見ている人がいる。
同じ職業でも、まったく違う言葉で生きている人がいる。
同じ趣味でも、好きな理由は人によって違う。
「子どもだから」
「大人だから」
「男だから」
「女だから」
「初心者だから」
「専門家だから」
「そういう人だから」
そうやって勝手に想像した誰かに向けて話しても、
本当の意味では届かないことがある。
大事なのは、
相手をこちらの想像で決めつけることではない。
目の前のその人が、
実際にどんな言葉を使っているか。
そこを見ることだと思う。
その人が選んだ言葉。
その人が何度も使う言い回し。
その人が反応する言葉。
その人がつまずく言葉。
その人がうまく言えずに探している言葉。
それを聞く。
それを集める。
そして、
自分の言葉で押し返すのではなく、
相手の言葉を使って返す。
それだけで、伝わり方はかなり変わる。
言語化能力とは、
自分の中にあることを、うまく話す力ではない。
自分の言葉を一度置いて、
相手の言葉を受け取る力だと思う。
では、どうすればいいのか。
まず、相手の言葉を集める。
話す前に聞く。
説明する前に、
相手がどんな言葉で世界を見ているのかを知る。
その人の中にある言葉を、
少しずつ自分の中にも貯めていく。
人はそれぞれ、
自分の中に辞書を持っている。
同じ言葉でも、
人によって意味が違う。
「楽しい」
「難しい」
「高い」
「安い」
「かわいい」
「かっこいい」
「わからない」
「欲しい」
「必要ない」
全部、同じ言葉に見える。
でも、その中身は人によって違う。
「高い」と言ったとき、
金額の話をしている人もいれば、
納得感の話をしている人もいる。
「わからない」と言ったとき、
知識が足りないのではなく、
イメージがつながっていないだけの人もいる。
「欲しい」と言ったとき、
本当に必要なのではなく、
まだ言葉になっていない憧れを見ている人もいる。
だから、
その人の辞書を知らないまま話すと、
言葉はすれ違う。
こちらは説明したつもりでも、
相手には別の意味で届いている。
こちらは伝えたつもりでも、
相手の中ではまだ何もつながっていない。
それを相手のせいにしていたら、何も始まらない。
「なんでわからないんだろう」
「説明したのに」
「普通わかるでしょ」
そう思った瞬間、
自分の言葉しか見ていない。
本当に見るべきなのは、
相手がどんな言葉なら受け取れるのか。
相手が今、どんなイメージを持っているのか。
相手の中で、どこまで共有できているのか。
そこだと思う。
会話は、言葉のキャッチボールというより、
イメージの共有に近い。
同じものを見ているつもりでも、
頭の中に浮かんでいる景色はそれぞれ違う。
だから、何かを伝えたいときは、
まずイメージを共有し合うことから始めた方がいい。
相手が見ているものを聞く。
自分が見ているものを少し出す。
違っていたら、また近づける。
ズレていたら、言葉を変える。
その作業をくり返す。
そうすると、
会話の中に少しずつ油が差されていく。
最初はぎこちなくても、
お互いの言葉が少しずつなめらかに動き始める。
相手が話しやすくなる。
こちらも受け取りやすくなる。
言葉がぶつかるのではなく、
流れ始める。
伝えるとは、
一方的に言葉を投げることではない。
相手が話せる状態をつくることでもある。
相手の言葉を聞く。
相手の言葉を集める。
相手の言葉で返す。
そうすると、
その人の名前を知らなくても、
何をしている人かわからなくても、
そこには十分な共通点があることに気づく。
同じ人間として。
同じ生き物として。
空気を吸い、
食べ物を食べ、
水を飲み、
毎日を生きている。
それだけで、
本当は共通点として十分なのかもしれない。
年齢も関係ない。
肩書きも関係ない。
話せるかどうかさえ、
絶対条件ではない。
生まれたばかりでも。
100歳を超えていても。
言葉を持っていなくても。
何かを感じ取る力があるなら、
伝えられることはある。
目で見る。
耳で聞く。
肌で感じる。
匂いを感じる。
空気を読む。
表情を見る。
間を見る。
距離を感じる。
言葉になる前から、
人は何かを受け取っている。
むしろ、
言葉だけに頼りすぎたことで、
伝わらなくなっていることもある。
これから先、
言葉だけではない世界はもっと広がっていく。
AI。
映像。
画像。
音。
空間。
体験。
気配。
表情。
沈黙。
人はこれまで以上に、
多くのものから情報を受け取るようになる。
もしかしたら、
まだ人間が十分に使えていない感覚も、
これから言葉の代わりになっていくかもしれない。
動物が匂いで世界を知るように。
鳥が空気の流れを読むように。
魚が水の振動を感じるように。
人間もまた、
言葉以外の方法で、
もっと細かく、
もっと深く、
誰かと何かを共有できるようになるかもしれない。
そう考えると、
少しわくわくする。
伝えるという行為は、
これからもっと広くなる。
言葉を書くこと。
言葉で話すこと。
映像で見せること。
音で感じてもらうこと。
空間で伝えること。
沈黙で共有すること。
その全部が、
これからの言語化能力になっていくのかもしれない。
その時代に必要なのは、
きれいな言葉を並べる力ではない。
相手が何を感じているのか。
何を見ているのか。
何を受け取っているのか。
そこに耳を澄ませる力だと思う。
言語化能力とは、
言葉を増やすことではない。
言葉になる前のものを受け取り、
相手に届く形まで変えられること。
もっと言えば、
自分の言葉を一度手放せること。
やることの答えはシンプル。
相手の言葉を使って話せばいい。
自分の言葉は、いったん空にしていい。
相手と一緒に、新しい言葉を作っていこう。
あなたの言葉は今、
誰かにちゃんと届いていますか。
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